人気ブログランキング | 話題のタグを見る

昔話を聞く会

070601 50年以上のつきあいになるカルテット仲間の一人、RI君の父君MI氏(94歳)から昔話を聞くという企画がこのほど実現、3時間以上に亘って貴重な話を伺えた。
 
 若き日、貿易会社の社員として大陸(主として張家口)へ雄飛した話を軸に、現地で除隊となったいわゆる「終戦秘話」や、夫人との馴れ初めなど、いずれも極めて興味深く伺った。青年時代、作家志望だったというだけあって、既に世に問うた著作も何冊があり、今日うかがえた話も一部は近々著作になるのか知れない。

 特に興味深かったのは、昨夏渋谷イメージ・フォーラムで見た映画「蟻の兵隊」に関わるくだり。あの映画の、現在83歳の主人公(奥村和一氏本人)は、中国転戦中、終戦を迎え、上官の命令で国民党一派に合流する形で中国山西省に残留。その結果、帰国後は国から冷ややかな扱いを受け、恩給も出ない状況に悲憤慷慨。その姿に同情を覚えたものだ。

 ところが、氏によると、事実はすこしばかり異なると言う。所属した部隊により、身の処し方は違ったらしい。つまり氏がいた地域では、まさに氏自身が檄文を書いて、残留するか帰国するかは各自が決めたという。そのことは奥村氏にも伝えたようだが、奥村氏は自分の勘違いは認めたものの、映画にそのことは特に出てこない。

 考えてみれば、我々4人、連れ合いを含めて8人、それぞれの両親16人中、現在ご存命はこのMI氏のみという、極めて貴重な存在であり、その意味でも、これは素晴らしい企画だった。

 翻って、自分の親のことを考えると、元気なうちにもう少しこうした青春時代の話を聞いておけばよかったと忸怩たる思い。

by grappa-tei | 2007-06-01 23:41 | 交友


<< 「小林 将バイオリン・リサイタル」 下野竜也の「巨人」 >>