人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ダフネ」

07/02/10 東京文化会館
 東京二期会が昨年から鳴り物入りで宣伝してきた話題の本邦初演のオペラ。行こうか行くまいか散々悩んだが「これからはR.シュトラウスの時代」というA先輩の薦めもあり、ぎりぎりに切符を買った。その割りにいい席で幸いだった。A先輩は早々とS席を購入しただけあって、最前列やや左というベストポジション。オケピットがあるので、最前列で前過ぎることはない。

 さて開演。いつもと様子が異なるのはオケピットの指揮者のスポットすら消えて、真っ暗闇。その中でダンサーが一人、中央で踊り始める。きびきびと激しい振りだ。メインダンサーの白河直子の舞踊がひとしきり。
そしてやおら音楽スタートとなる。

 普段よく見るイタオペとはかなり趣向が異なるのでとまどいは隠せない。アリアはあるにはあるが、切れ目なしの演奏の合間で、独立して存在するわけではない。またレチタティーヴォやカバティーナもなし。ただ淡々と歌と音楽が続いていく印象。それもほとんどメロディアスなものはない。勿論随所に美しい旋律は用意されている。

 主役ダフネをやる釜洞祐子、熱演である。声に伸びがあるし、見栄えも上々。(A先輩によると、疲れが見えるとのことだったが) 他にアポロ役の福井敬が落ち着いた歌唱と演技。ダフネの母親役ゲーアの板波利加のメッゾは深い響きで印象に残った。

 ダフネというと、何と言ってもローマのボルゲーゼ美術館にあるジャン・ロレンツォ・ベルニーニの作品、「アポロンとダフネ」を思い出す。これはアポロンに追い詰められたダフネが父親に頼んで、一瞬にして月桂樹に変身するところを描いたベルニーニの作品の中でも最も知られた作品の一つ。

 無論、このオペラでもこのシーンがクライマックスで、釜洞祐子が暗闇で白河直子に入れ替わり、最後も彼女の舞踏で終わる。

 まぁ、全体として歌唱と舞踊がほぼ拮抗するような作品で愚亭には初体験。また2時間弱の1幕ものゆえ、舞台転換は大道具を頻繁に人力で移動させることによる対応。周到な準備が要ったことだろう。演出と振付を担当した大島早紀子だが、指揮者の若杉 弘並みの大拍手を受けていた。

 帰宅して何気なくテレビをつけたら、ちょうどポンキエッリの「ラ・ジョコンダ」をやっていた。昨秋、紀尾井ホールで聴いたマルコ・ベルティの「空と海」を聴き、イタオペの魅力を改めて再認識。
「ダフネ」_c0075706_18422525.jpg

by grappa-tei | 2007-02-11 18:44 | 音楽


<< 昨年鑑賞映画の総括 「それでもボクはやってない」 >>