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「多事争論」

06/12/05 アプリコ大ホール 大田区主催の「人権週間講演会」が開かれた。筑紫哲也氏が招かれ「多事争論」~人間らしく生きるために~と題する講演会があった。教育問題を中心に100分ほど、ソフトで淡々と約千人の聴衆に語りかけた。

▽長期に日本を離れていた人が一様に口にするのは、日本ほど子供たちの目が輝いてない国はないということ。大体、昔のように子供の姿が見えない。東京では僅かに墨田区の一部で、昔ながらの光景が見られる程度。

▽自分の番組で嘗て党首討論会をやった時、子供たちの目を輝かせるにはどういう対策が必要かを問うたところ、満足に答えられる党首はいなかった。

スロー・ライフの提唱。スロー・フードから派生的に。スピードを上げた社会に価値ありとするのは間違い。ドッグ・イヤー(人間の7倍速)のスピードについていけない人間がまるで落伍者のように見られる社会はおかしい。

▽「いい加減」が日本人のキーワード。「緩急自在」もあるべき生き方を言い得て妙。

▽一神教世界の厳しさ。絶えない争い。日本には八百万の神。7福神の国籍は、3人がインド、3人が中国、えびすさまのみ日本。彼らのすまいは3人がお寺、3人が神社、1人が施設。

▽今は子供たちに道草を食うことを禁じている学校。その結果として、都会では自然が気持ち悪いとする子供たちばかり。虫の音を楽しむことはない。日本人特有の感性はどこへ?

▽旅の楽しみ方にも表れる。上高地でも河童橋で写真を撮って終わり。白川郷でも滞在45分。グランド・キャニオンでも最も美しいとされる夕景を見る日本人は少ない。

▽自分は今エージズムと戦っている。いわゆる年長者差別。昔は年長者ということで尊敬されたものだが。

▽寿命が伸びた分、実年齢の7掛けと考えると楽。日本語を知らぬ大学生も20x.7=14と思えば腹も立たない。7掛け人生を楽しむ余裕が求められる。

やはり豊富な実体験に基づく話だけにどれも説得力があり、いちいち頷く聴衆が多かった。蛇足ながら、彼は筑紫というだけあって、大分の出身。地元の出身校の同窓会に誘われると出席の条件を2つ出すそうで、孫の話をしない、病気の話をしないということとか。大いに共感。
by grappa-tei | 2006-12-05 21:55


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