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「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」

100416 渋谷ル・シネマ 原題:IO, DON GIOVANNI 脚本・監督:カルロス・サウラ、撮影:ヴィットリオ・ストラーロ(「カラヴァッジョ」)出演:ロレンツォ・バルドゥッチ、リノ・グアンチャーレ、エミリア・ヴェルジネッリ
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ダ・ポンテの名前は、モーツァルトと組んだ有名オペラの台本家として知っている程度だったが、結構波乱に富んだ人生だったようだ。

もともとはユダヤ人で、ヴェネツィアでキリスト教に改宗し、名前も変えて別の人生を歩き始める。
ところが放蕩が過ぎて、ヴェネツィアから追放されてしまう。彼の才能を惜しんだサリエリの口利きで、つきが回り始める。やがてモーツァルトと運命的な出会いをして、「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トゥッテ」、そして「ドン・ジョヴァンニ」と台本作家として不動の地位を築くことに。

稀代の色事師、あのジャコモ・カサノヴァが台本執筆協力をしたというところが面白い。ドン・ジョヴァンニがカサノヴァに重なっているのは明白。尤もこの作品では、自分、つまりダ・ポンテがドン・ジョヴァンニ自身であると語らせていて、タイトルも原題(伊語)ではIO, DON GIOVANNI(英語では、I, DON GIOVANNI)となっている。モーツァルトも含め、3人ともそっちの世界ではお盛んだったところも興味深い。

監督のカルロス・サウラが意識したかどうか不明なれど、「アマデウス」の場面を思わせるシーンが少なくなかった。モーツァルト役のグァンチャーレの多芸・軽薄ぶりも、トム・ハルスにかぶってしまう。また、「アマデウス」で悪役だったアントニオ・サリエリが、ここではダ・ポンテをモーツァルトに紹介する「いい人」に描かれている。

アマデウス」は全編を通して英語(ほんの一部、伊語)だったが、本作では、独語と伊語が使い分けれられている。例えば、ヴォルフィー(モーツァルト)と妻のスタンツィー(コンスタンツェ)との会話はすべて独語であり、ダ・ポンテとは伊語という具合で、これが真実だったと思う。

残念だったのは、映像及び音楽が余り鮮明でなかったことで、これは上映映画館側の問題ではないような気がする。この種の作品は殊更映像と音楽には気を使って欲しいもの。

#20
by grappa-tei | 2010-04-17 13:08 | 映画


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