![]() まるで中南米のどこかの国の話かと思うほど、どうにも野卑な悪徳警官テレンス・マクドナー(ケイジ)の腐敗ぶりをヘルツォーク監督独特の手法で描く。 舞台は2005年のハリケーン「カトリーナ」に徹底してやられたルイジアナ州ニュー・オーリンズ。 その時、水没しかかった牢で必死に助けを呼ぶ容疑者を、偶然助けたことからテレンスはルテナント(警部補)に昇進するが、これがとんでもない男。何しろ筋金入りのヤク中ときている。 ヤクの売人とも裏でつながっているどころか、脅かして上質のコカインを巻き上げたり、時には女まで調達するという、まず考えられないほどのワルだ。 昼間っから、目はうつろ、舌はロレツが回らないほど。捜査の合間に、賭けアメフトと忙しい。 そんな格好でよく警部補が務まること自体が不思議だが、アメリカの警察ってーのは、こんなことがよくあるらしい。とにかく日本人の感覚からすると、信じられない光景のオンパレード。 結局、裏で通じていた売人組織を一網打尽にし、囮捜査を偽装したことにして手柄を手中に。 何と警部(キャプテン)に昇格してしまうという何ともハチャメチャなお話。 この男、水没から容疑者を助けた際に痛めた腰痛に、その後も長く苦しめられることになり、身体がひん曲ったまま。ずーっとこの演技を続けることになるケイジも大変だ。札付きのワルだが、抜けたところが結構あって、どこか憎めない、このだらしない男をケイジが実にうまく演じている。 冒頭のシーン。水没しかかる牢へ向かって泳ぐ蛇という趣向はどんなものか。高速道路上のシーンでは、路肩で様子を窺うワニが登場。しかもハンド・カメラで、もろワニ目線での撮影には思わず大笑い。更には、張り込みシーンで、何故か大型のイグアナまで登場する。朦朧としているテレンスの幻影なのだが、「何でここにイグアナがいるんだよ?」「イグアナなんかいねーって」とか言うやり取りがあって、これはかなり笑える。 こうした爬虫類の登場は筋とは無関係なのだが、ヘルツォーク監督の遊び心なのか、イグアナの向こうに映るケイジもかなり笑っているのが分かる。殺伐としたシーンが多い中で、こういうユーモアというのか、おかしさは「パルプ・フィクション」にかぶる。 こうしたとぼけた味のある犯罪ものジャンルは、クライム・コメディーとでも言うのだろうか。 期待以上に楽しめた作品。 #18
by grappa-tei
| 2010-04-02 22:06
| 映画
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