100112

メラニーさん、何年か前に一度生で聴いたことが、その時よりも更に一段の衰が容姿に。
マエストロ井上も、「共演のテノールとの年の差?それは聞かないように」
とおどけていたぐらい。
恐らく還暦を迎えたぐらいかと思わせる。
それにしては、まだまだ元気だ。
しかも色気があるし、舞台上手で、動きがきびきびしている。
何より、断然華がある。
日本人歌手も少し見習うとよい。
名前からある程度想像できるように、
ウィーンものを得意としていても、ゲルマン系に非ずしてアングロ系。
ヒューストン出身の生粋の(?)アメリカ人だ。
相手のテノール、ズリンコ・ソチョという、奇妙に響く名前だが、
これが首都ザグレブ出身のクロアチア人。
ザグレブとウィーンの距離は東京・大阪ぐらいのものだから、
国は違えど、文化的に彼がウィーンものを歌うのはまったく違和感がない。
よく響く発声で、上背もあり、堂々たる容姿は
メラニーさんの相手として何ら不足はない。
オーケストラ・アンサンブル金沢(略称OEK)の伴奏でうたったのだが、
どうしても歌唱が「負けて」しまう。
今回は5列目の中央だったから、聞こえた方だが、
恐らく後列は厳しい状況だったと想像される。
という理由からか、二人とも超小型マイクを装着していた。
果たしてスピーカーはどこに設置されていたのやら。
オペラ公演ではあり得ないことだが、屋外での演奏会でもないし、
かなりの違和感を感じた。
さて演目だが:
メンデルスゾーン 八重奏曲 変ホ長調
これはマエストロのタクトでなく、コンマスのマイケル・ドースに合わせる形で演奏。
八重奏を20人ぐらいの弦楽で演奏したわけだが、
大変美しい旋律が随所にちりばめられた素敵な響きだった。
作曲家、何と16歳の時の作品と言うから驚く。
モーツァルト並みだ。
★
20分の休憩後はウィーン一色。
「ウィーンわが街」
「こうもり」序曲、
プラーター公園は花盛り」
「ピッツィカート・ポルカ」
「こうもり」から「ブドウの炎の流れに」、(「シャンパンの歌」)
「チクタク・ポルカ」
「ヴェネツィアの一夜」から「アンネン・ポルカ」
「ほほえみの国」から「君は我が心のすべて」
「ジュディッタ」から「私の唇にあなたは熱いキスをした」
「チャルダッシュの女王」から「踊りたい!」
アンコールは、
「メリー・ウィドウ」から「唇は語らねど」(メリー・ウィドウ・ワルツ)
マエストロ井上は相変わらず舞台上で散々おどけまくる。
この種の演奏会にはぴったりのキャラクターだ。
1月7日金沢を皮切りに、全7回の日本縦断公演の第6回目。
当然、メラニーさんたちとの息もピッタリ合っていて、
聴衆を上手に乗せていたと思う。
★★
それにしても、今年はまだ2週間経っていないが、
「シャンパンの歌」は何回聴いたか、覚えていないほど。
ダンスも含めて舞台上での振りは、日本人同士の場合、
どうしても見る側も照れくさいものだが、
彼ら、本場(と言ってもアメリカ人とクロアチア人ではあるが)
の歌手たちが演じると、実にしっくりくるし、さすがと思わせるものがある。
#4