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「フランス絵画の19世紀」

090814 横浜美術館 
 家で出る時は「海のエジプト展」を見るつもりだったが、会場に着いたら、45分待ちの表示が。そこで、近くにある美術館に急遽行先変更。「海の・・・」は入場料が2300円と、この時代にしては、随分強気の設定で、多分入場者が多くはないだろうと高を括っていたが、考えてみればお盆の時期だし、会期が今月一杯なので、これだけの人出になったのか。
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 この美術館が出来た1989年に来て以来だから、丁度20年ぶり。さすがに初めて来たような印象。このホール、どこかで見たような気と思ったら、オルセー美術館のそれに酷似。ホールの規模として、本家の1/5ぐらいか。もっと独自性を追求すればよかったのに。
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 そこに何体かの彫刻が展示してある。ザドキン、ダリ、ミロなど。これは中でも一番目立つVenanzo Crocettiの「平和の若い騎手」
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原画はジャック・ルイ・ダビッドで、ルーブル美術館で見られる。それに対するオマージュか、面白いアイディアだ。

 今日のお目当ては、「フランス絵画の19世紀」(La Peinture Francaise du 19e Siecle)。フランス語タイトルは「19世紀のフランス絵画」なのに??後でこの意味が分かった。
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左はドミニク・アングルの「パフォスのヴィーナス」、中はドロリング「アキレスの怒り」、そして右はドラクロワの「シビュレと黄金の小枝」 アングルのこのヴィーナスはひどい!こんな作品が入口の一番目立つところに展示してある。彼の「オダリスク」も不可思議な体型だったが、この作品はそれ以上に不自然だ。醜悪としか言いようがない。「アキレス・・・」も典型的新古典主義の作品。グロ、ダビッドの系譜かな。対するウジェーヌ・ドラクロワは、新しい時代の幕開け、ロマン主義の旗手的存在。輪郭線の追放や権力からの解放などを掲げた先駆者。「フランス絵画の19世紀」_c0075706_2114277.jpg
 このカバネル作「ヴィーナスの誕生」もよく知られた作品だが、展示してあるのはなんとレプリカ。アドルフ・ジュルダンがレプリカとして仕上げたが、カバネルが監修し、彼のサインが入っているという訳の分からない作品。




「フランス絵画の19世紀」_c0075706_21174173.jpgこれはフィラデルフィア美術館所蔵の「カルメンに扮したエミリー・アンブルの肖像」(マネ)。絶品。

 今回の展示は油彩がほとんどで、80点ほど。それを40か所から借りての展示会だから、大変な作業だったろう。意外なのは島根県立美術館を筆頭に、日本所蔵がかなりを占めていることだ。残念なことに、ドガ、ピサロ、モネ、シスレー、ルノワール、セザンヌ等、印象派のいわゆるビッグ・ネームがそれぞれ1点ないし2点ほど展示しているが、いずれもB級作品。ただの広告塔として使われた感じが否めない。であるがゆえに、敢えて「19世紀のフランス絵画展」とはしなかったのでは、と勘繰りたくなる。

 その後、常設展を見たが、フラッシュさえ焚かなければ撮影OKとは大英断。さっそくカメラに何点か収めることに。
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「二人のダンサー」オディロン・ルドン
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ポール・デルヴォー
 この美術館、全体に狭いし、展示法をもう少し工夫した方がいい。それと、出品作品リストを請求しないとくれないのはいかがなものか。1枚ペラの両面コピーなど、いくらも経費がかからないのだから、東京の美術館並に入口に積んでおくべきだろう。みみっちい印象しか残らない。スタッフは皆親切だったが。
by grappa-tei | 2009-08-14 19:09 | 美術


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